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文部科学省指定研究開発学校・富士市立元吉原小学校での
新設教科「情報科」における取り組みのご紹介

(掲載日:2002/12/04)


先生は別室にて「子どもたちの知らない人」になり、キューブミーティングで子どもたちの代表と会話。


キューブページやキューブベースによる、「電子百科事典」の制作。

静岡県富士市元吉原小学校は情報科と英会話科が設置され小中9カ年のカリキュラムを通じての学習を進めている文部科学省指定研究開発学校です。
同校では、「これからの時代を生きるためには、様々な方法を駆使して豊かなコミュニケーションができる力が必要となる。その豊かなコミュニケーションの手段として情報活用能力や英会話力を育てる必要がある。この2つの新設教科を小中の枠を取り払った形で立ち上げることにより『自らの生き方を創り、学びを表現できる子どもの育成』が図られる」と情報科・英会話科の新設の理由とし、両科での新しい取り組みを行っています。

11月22日、同校にて研究発表会が行われました。新設された情報科において、ハイパーキューブねっとJr.に搭載された会議室ソフト「キューブミーティング」、ホームページ作成ソフト「キューブページ」、データベースソフト「キューブベース」を活用した研究発表が行われました。

同校第5学年2組(指導者:市川利久先生)では、単元名「チャットを楽しく安全に使おう」にてキューブミーティングを活用した活動を行っています。取材させていただいた授業では、教室とPC教室間での校内LAN環境において、電子会議をクラスの代表の子どもと、別室にいる架空の他人(PC教室で先生が担当)が行い自由な意見交換を行いました。

市川先生は実際の電子会議での自由な会話の中に、注意しなければならない要点「個人情報の発信の問題点」「現実の世界との差異」「発信される情報の信用性」について盛り込みながら電子会議を行います。そして、子どもたちが電子会議の楽しさ・利便性の裏に潜む危険性に気付き、その対処の仕方を考えました。
市川先生の授業での取組みは子どもたちがインターネットという大海原に漕ぎ出す前に、学校や保護者の方、そして弊社等情報教育の発展に携わる企業が取組まなければならない重要な課題に対する積極的な活動例として参考にさせていただくべき内容でした。

また、同校第6学年1組(指導者:加藤達人先生)では、単元名「My memories Part 1 My study 電子百科事典を作って元小の図書館においてもらおう」にて、自分でテーマを決め図書館に残すCD-ROM事典を作成する活動で、情報収集の方法、処理の方法(著作権への対応等)、表現の方法を学ぶ実践を行っています。
取材させていただいた授業では各自の作品を発表し合う活動を通じて、分かりやすく人に伝えるためのプレゼンテーションの訓練や、また、友達同士でお互いの工夫やモラルを教え合うという学習活動が展開されました。
子どもたちが作成した電子百科事典は、イラスト等を組み合わせた表現、ハイパーリンクによる解説など、ソフトや機能をフル活用した完成度の高い「事典」が多数ありました。

富士市立吉原小学校に新設された「情報科」におけるこれらの取り組みは、ますます情報教育が発展していくこれからの学校教育においての一つの指標となる実践例といえるのではないでしょうか?

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