過去のコンテスト:受賞結果
平成13年度〈2001年度〉
第7回 キューブ活用コンテスト受賞結果
「キューコン」にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。力作ぞろいの応募作品から特に優れた作品を発表します。
学習成果作品部門 グランプリ
『せみの羽化の観察記録』
徳島県 海南町立海南小学校
三木綾夏 さん
セミが羽化していく様子・変化の観察し、その記録と感想をキューブページを活用してまとめた作品です。セミが羽化する変化の時々の様子を撮影した写真やイラスト、キューブプロジェクタを活用したスライドを効果的に利用しています。
講評:山極 隆 先生
せみの羽化の観察記録ということで、夜中起きて克明に観察記録を表したものです。
やはり日頃から動物とか昆虫とか自然とかそういったものに関心を持ち、その中での驚きといったものが、こういう作品として表し、まとめて、調べて、発表しようという気持ちになったのかと思います。
最近子どもたちの理科離れといったことがよく言われていますが、やはりこういった生の自然や生物を直接体験して、そしてそういうものを調べていく、その気持ちをいつまでも持ち続けていっていただきたいと思います。
学習成果作品部門 準グランプリ
『ラビットとフォックスの大冒険』
熊本県 熊本市立五福小学校
熊本市立五福小学校2年1組 のみなさん
キューブプロジェクタを利用して、主人公ラビットとフォックスのさまざまな冒険を描いた創作物語作品です。一人ひとりが描いた絵が1つの物語となり、ナレーションに合わせて進行していきます。
講評:太田次郎 先生
この作品の良さは、小学校2年生らしい素朴な物語と絵で構成されている点である。
主人公ラビットとフォックスのさまざまな冒険がかわいらしく表現されている。
一人ひとりが描いた絵がよく繋がっていて、一つの物語に作られている。
小学校低学年の生徒が協力して作成した作品として、ほほえましさを感じる。
キューブプロジェクタの活用法の一つとして推奨できる。
学習成果作品部門 準グランプリ
『足利モダニズム遺産』
栃木県 足利市立北中学校
足利市立北中学校パソコン部 のみなさん
地域の歴史遺産、特に近代建築遺産に焦点を当て調べたことをキューブプロジェクタを利用し、まとめています。地図メニュー画面をクリックすることにより、地域のさまざまな近代建築遺産を紹介しています。
講評:太田次郎 先生
総合学習の一つとして、地域のことを調べた作品で、よくまとまっている。特に足利市の特徴である近代建築遺産に焦点を当てて、生徒自身が調べたことを要領よく画面にまとめてある。
地域について、改めて考えてみる手がかりとする点で優れているし、この作品を作る際の生徒の活動と努力も評価できる。
この種の地域紹介の作品は、従来からいくつかあるが、それらの中では、まとまりがよいものである。
教材開発実践部門 準グランプリ
『食べ物のはたらきを調べよう』
愛媛県 新居浜市立垣生小学校
新居浜市立垣生小学校中学年部 の先生方
キューブページを利用し、さまざまな食物のまとまりや各食物毎の働き・含まれる栄養に関しての注意などを、わかりやすい構成で詳細にまとめた教材作品です。
講評:永野和男 先生
教材開発実践部門というのは、ここでつくられた教材が単に一つの学校の実践というだけではなく、「他の学校にも使えるのか」とか、「その学習の内容を他の学校でも是非やってほしい内容か」といった観点で選びました。
この教材作品は、3年生の内容となっています。栄養を調べるだけでしたら他にもいろいろ教材もありますが、本作品は、実際の活動の中で子どもたちと一緒に作ってきたという感じがありました。
そして、言葉をひらがなで書いてあるなど、非常に丁寧であり、また、絵もたくさん使ってあり思わずボタンを押してみたくなるような作品でした。子どもたちの活動が非常に想像できて、楽しめる作品でした。
教材開発実践部門 準グランプリ
『心でつなごう!ぼくらと校舎と世界の人々』
富山県 砺波市立出町小学校
白江勉 先生
キューブページを活用し、砺波市立出町小学校の卒業生である6年生が現在各方面で活躍している同校OBを取材してまとめていく内容の学習指導案です。
講評:永野和男 先生
この作品では、6年生の活動として子どもたちの学習成果が紹介されています。
作品のテーマは同じ中学校の卒業生である先輩達をまずインタービューし、まとめ、作品とすることで、4年生・5年生など次の世代に伝えようという活動になっています。
このような形のイベント的な学習への取り組みは、これまでにも行なわれています。しかし、この作品の良いところは、その裏側に「子どもたちにつけてほしい力」をはっきり書いてある点です。「感じる力」「関わる力」「表す力」「作り出す力」のように項目を挙げ、「一学期にどんなことを育てよう。二学期では・・・」とカリキュラムをきちっとしながら活動を行なっています。子どもたちの成果作品だけでは、この学習活動の良さがなかなか見えないかもしれません。
このようなテーマでは、「いかに自分達に関わったテーマを持っているか」、「発信するといっても相手は誰なのか」などといったことが大事になります。この実践はそういったものをはっきりと持っていて、きっと子どもたちも楽しく学習活動ができたのではないかと思います。
審査員賞 発見賞
『おもしろいもの見つけたぞ』
長野県 上田市立川西小学校
川西小学校2年1組 のみなさん
子どもたち一人ひとりがそれぞれに、学校にあるさまざまな「おもしろいもの」を見つけて写真撮影を行い、記事を書いてキューブページでまとめました。
講評:山極 隆 先生
生活科といいますと、子どもたちが学校、校舎外、或いは地域に出て発見、或いは調べ学習等々するかと思いますが、子どものみずみずしい発見、それを写真で撮影し、さらに記事をそれぞれ子どもたちが自分の感じたことを書いて、キューブページでまとめてあり、生活科のねらいに合った学習であると思います。
これからこういった子どもたちの実体験とそしてメディアの活用といったものをより一層結び付けて、すばらしい生活科にしていただきたいと思います。
そして、そのような活動が、これから始まる総合的な学習にも生きてくるのではないかと思います。
審査員賞 福祉賞
『あなたの福祉度チェック!』
愛知県 碧南市立中央中学校
「あなたの福祉度チェック」制作班 のみなさん
道路や施設に見られる障害を持った方・高齢の方等の為のバリアフリー施設・設備、優先案内表示等を調査し、キューブプロジェクタを活用し、クイズ形式の作品としてまとめました。
講評:太田次郎 先生
総合学習の一つとして、文化祭に来た人々に地域の福祉についての質問に答えてもらい、それをもとに福祉についての理解度を判定しようとした作品である。
とかくその重要さがいわれている福祉について説教的になりがちな状況下で、具体的に福祉を理解させる作品として、教育上意義があると評価する。
生徒自身が総合的な学習の時間に、個々の画面を写真撮影してまとめてあることもよい。
中学校の福祉教育の一つのあり方として価値がある作品と思われる。
審査員賞 コミュニケーション賞
『遠隔共同学習にハイパーキューブねっとJr.の電子会議を利用した授業実践』
福井県 越廼村立越廼小学校
竹澤秀之 先生
静岡県 三ヶ日町立西小学校
山村 健一 先生
福井県越廼村立越廼小学校と静岡県三ケ日町立西小学校とで行われたキューブミーティングを活用した遠隔共同学習の指導案です。
お互いの地域の特産であるミカンをテーマに交流学習を進め、リアルタイムに意見交換を行うことができ、発言内容ログを見直し振り返り学習ができるといったキューブミーティングならではの利点を生かした指導案となっています。
講評:永野和男 先生
遠隔共同学習は、これから学校にインターネットが繋がってきて、さまざまな場所で行なわれると思います。この作品のように、「果物を育てなから遠隔共同学習を行う」というアイデアを出すことは出来ますが、実際に3年生や4年生の子どもたちで遠隔共同学習を実践することは大変なことだと思います。
この作品も表面だけを見ると「何か活動したのだな」と思うかもしれません。しかし、先生が書かれた指導案には一年間のカリキュラムをきちっと考えてあります。そして「子どもたちにどんな力をつけるか」「どんな観点で評価するか」を4つの観点で書いてあります。「学習活動への興味関心がどうであったか」「思考判断がどうであったか」「情報活用の実践力の身についたところはどうであったか」「知識を利用し統合する力はどうであったか」というところをきちっと整理してあります。
そして一年かかって、ちょうど果物を育てることと同時進行でこの遠隔共同学習の実践が行なわれます。
しかも、この実践が行なわれた地域同士が三ケ日町等、ミカンの産地として有名な地域であり、子どもたち自身が自分達が普段の生活で目にしているものをテーマとして学習活動が進んでいくといった、モデルとなる実践だと思います。
審査員賞 環境賞
『下水処理までの道』
福岡県 行橋市立行橋中学校
行橋中学校コンピュータ部 今木港さん 中川裕樹 さん
下水道が無い地域の水質の問題を題材とし、地域の水質調査、地域の下水道の整備計画、下水道自体についての調査。多角的に地域の水の環境問題に取り組んだ作品です。キューブプロジェクタを活用してまとめています。
下水に関するクイズや、市役所などへの取材、水質の科学的な調査や、ビデオを利用し地域の現状を報告する等、見せ方にさまざまな工夫が盛り込まれています。
講評:龍崎邦雄 先生
この作品を初めて見たとき、とても良く出来ているなと思いました。
どんな点がよかったのかと言いますと、
1.総合的な学習の時間の研究テーマとして、身近な生活の環境問題に取り組んだこと。
2.単に本やインターネットで調べたのではなく、自分の足で市役所へ行ったり下水の様子を見たり調べたりしたこと。
3.調べるにつれ驚きがあり、次から次へ研究を深めていき、自分達で実験をして確かめたりしたこと。
4.写真やビデオなど視覚に訴えるものをうまく使っていること。調べたことを自分だけでなく、わかりやすく他の人達に伝えることはとても大事なことです。そしてそれらの表現に、キューブをたいへんうまく使っていることです。
5.今回作品を作りいろいろ勉強になったことと思います。この行橋市の下水問題について、自分たちに何か出来ることはないだろうか、取り組んだことをまとめると更にすばらしいものになると思いました。
今回、二人は別々に作品づくりをしてくれましたが、同じ題材を使い似た研究をしたことから二人一緒に差し上げることになりました。一年生とは思えないとてもすばらしい作品でした。
2年生になっても続けてよりすばらしい作品を作ってください。
審査員賞 資料賞
『小佐々の海の生き物図鑑』
長崎県 小佐々町立楠栖小学校
生き物班 のみなさん
地域の海の生き物を調査して、キューブワードを活用してまとめ、図鑑とした作品。
キューブワードのリンク機能を活用し、目次から目的の生き物のページを閲覧できます。
講評:塚田庸子 先生
私たちの身のまわりには大変素晴らしい自然がいっぱいあります。
この作品はそのなかで、自分達の身の周りの小佐々の海に焦点を絞り、そこに住んでいるいろいろな生物をデジタルカメラで撮り、
すばらしい資料を作ってくれました。
そのなかでも特にすばらしいのは映像がきれいだというところ。小佐々の海に行ってみたいという気持ちになります。
それと同時に観察している素晴らしさ。表面だけではなく、いろいろな方向から撮った映像がちゃんと収録されています。
この作品をみんなで見て、そしてまた、身の回りの自然に興味を持って、いろいろな自然を見つけてもらいたいと思います。
審査員賞 ポエム賞
『Snow Canvas』
香川県 香川県立三木高等学校
大西 哲矢 さん
キューブプロジェクタを活用し、障害を持つ方との共生をテーマとしたオリジナルの長編ストーリー作品です。
物語は登場人物の会話、絵の変化にあわせて進行します。
映像作品としての技術的な面、グラフィックをモノトーンにする等全体のコンセプトの統一感が印象的な作品です。
講評:常葉 勇 先生
まず、この作品については、この表現活動を支えたスタッフの努力は大変な作業であったと思います。
このSnow
Canvasの特質は何と言ってもモノクロトーンによる『光と影』或いは『余白と描写』が丁度、ネガからポジへ、ポジからネガへ転写されてゆくように揺れ動く少女の心理がドラマチック(劇的)に表現されておりました。
また、モンタージュの技法を使った、カット割りの進行は、ダイナミック(大胆)でありながら繊細で、ときに緊迫感、ときにアイロニー(皮肉またはペーソス)も含み、その映像効果はまさにSnow
Canvasの雪が融けていくような、味わいの深い余韻が残る好作品でありました。
蛇足ですが、作品はこれで終わりというのではなく、思い切って半分の長さに絞り込めば新たなる映像の勉強になると思うので、是非、試してみてください。
審査員賞 地域貢献賞
『川上の民話』
徳島県 海南町立川上小学校
川上小学校4学年 のみなさん
地域に伝わる7つの昔話を交流校に伝える為、キューブページを活用してホームページにまとめました。
各昔話の紹介ページには子どもたちの描いた挿絵が掲載されています。
講評:関口一郎 様
「民話」「昔話」という地味なテーマをユニークな絵で楽しい内容にしました。
手づくりのWeb紙芝居といってよいでしょうか。とにかく絵が個性的で楽しく、早く内容を見てみたいと誘われます。
だんだん忘れられていく民話や昔話をみんなで聞きとりをし、大勢の人にも知ってもらうために楽しくまとめました。
ただし、説明の文章の表示の仕方が長すぎます。一行の文章(文字数)をもっと短くするとか、4~5行ごとに一行空けるとか、読みやすさの工夫が必要です。
また、できれば現在の写真(その場所など)も入れるとさらに内容の幅が広がります。
そうすることによって、さらに親しみやすい作品になったと思います。
審査員賞 探究賞
『新川調査隊』
静岡県 浜松市立富塚西小学校
佐伯昂介 さん、浮海智 さん、松浦孝治 さん
吉田朱里 さん、大村早紀 さん、木村紗央里 さん
池谷織絵 さん
地域を流れる新川に飼っているメダカを放流するために、新川の水質について調べました。薬品を利用した水質試験や、水質の指標生物である昆虫、魚の生態について調べた結果をキューブページを活用してまとめています。
講評:佐々木秀一 様
この作品は、学区内を流れる新川という身近な自然を対象にメダカの放流ができるのかという素朴な課題のもとに行なわれた調査である、調査隊の協力性や地道な探究活動、さらに地域の方々との交流も含め、新川が浜松市内で一番きれいな川であったという発見や喜びを得られたことは大変意義のある活動を象徴していると思います。
また、これらの探求活動の成果をキューブの活用により一つの作品(Webページ)として、情報をきれいに整理し、わかりやすくまとめ、情報発信できたことは素晴らしいことです。特に、指標生物の採取や観察、COD検査などの努力や苦労の様子が伝わってきます。
最後に、このような素晴らしい作品に仕上げた調査隊員のみなさまをはじめ、ご指導支援にあたられた先生方に賞讃を送りたいと思います。
審査員賞 シミュレート賞
『ロボット走行シミュレーション』
宮城県 仙台市立田子中学校
コンピュータ部 のみなさん
キューブベーシックによるマイコンカートのさまざまなプログラム制御の動きを動画を利用したシミュレーション映像でわかりやすく表現した学習成果作品です。
講評:横幕 睦 キューブ活用コンテスト会長代理
自走式ロボット『マイコンカート』がキューブベーシックのプログラミング技術によって壁を感知して動く様子を動画にしてブラウザで見ることができるようによく工夫してあります。
クラブ以外のまわりの生徒達にもこの作品を見てもらえば、随分理解が上がると思いますし、さまざまな迷路コースのシミュレーションをしてくれているので、できれば注意点とかをまとめてもらえれば今後、より良い研究になっていくと思います。
これからますます複雑な迷路コースにも挑戦していってもらいたいですね。
新年度からの新学習指導要領には計測・制御が取り入れられています(中学校<技術分野>、および高等学校<情報B>)。是非、先生にもアドバイスを受けて大いに研究してください。
お問い合わせ
キューブ活用コンテスト事務局
〒430-0803 静岡県浜松市中央区植松町61-1 スズキ教育ソフト株式会社内
TEL 053-467-5580
FAX 053-467-5581
お問い合わせメールフォーム