過去のコンテスト:受賞結果
平成14年度〈2002年度〉
第8回 キューブ活用コンテスト受賞結果
「キューコン」にたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。力作ぞろいの応募作品から特に優れた作品を発表します。
学習成果発表部門 グランプリ
『シンガポール日記』
佐賀県 唐津市立大成小学校
小4 髙崎 菜南子 さん
講評:山極 隆 先生
この作品は佐賀県唐津市立大成小学校4年の崎菜南子さんの作品である。菜南子さんは夏休みを利用して叔母の住むシンガポールに家族と一緒に行った時、その時の思い出、そこで気付いたこと、びっくりしたことなどをキューブプロジェクタやキューブペイント、デジタルカメラなどを使って表現したものである。
子どもなりに他国で味わった新鮮な思い出、シンガポールの自然、植物、町の様子などが素直に表現されており、その観察眼、目のつけ所も極めて高い。
みずみずしい感受性に富んだこの作品は国際理解と情報メディアを見事に融合させたものであり、グランプリ作品として審査員一同が賛同した。
学習成果発表部門 準グランプリ
『みんな子どもだった』
長野県 小県郡東部町立和小学校
小3 3年梅組のみなさん
講評:太田 次郎 先生
国語科(3年生)の実践事例として昔の遊びや服装などについて調べ、まとめた作品である。
図書館の本やインターネット、インタビューなどで調べた 事項が見事にまとめられている。
特にイラストや写真、インタビューの内容を録音した音声などが上手に画面上で処理されている。
地域の高齢者が語られる当時の遊びや生活の様子など、子どもと地域との交流もよくなされている。
コンピュータの特性もいかされていて、ほほえましい感じのする優れた作品である。
学習成果発表部門 準グランプリ
『スナイパーダジノ&ディラスの戦艦破壊大作戦』
愛知県 碧南市立中央中学校
中2 伊藤 哲郎 さん
講評:太田 次郎 先生
分岐によって進行するロールプレイングゲーム型の作品である。制作画像が413枚という大作であり、1つ1つの画像やゲームの進行など手抜きがなく、このような作品を中学2年生が作ったことは驚嘆に値する。
アニメーションの使い方や効果音の利用なども工夫されている。約1年半かかった訳であるが、何よりもその間の努力を評価する。
中学生がここまでやれるのかと驚くと共に、その才能と努力を今後どう活かしていくかについて考えさせられた。
授業実践アイディア部門 準グランプリ
『ガイドページを作ろう』
岡山県 高梁市立高梁小学校
上月 寿彦 先生
講評:永野 和男 先生
相手を意識し、相手に配慮しながら、情報を発信・伝達できるようになることは、情報教育の大きな目標の一つである、と同時に、国語の目標でもある。この実践では、ガイドブックにならい、はっきり伝達する相手と内容を検討させ、Webつくりに取り組んでいるところが、評価できる。
全体で12時間の指導案として展開されているが、実際のWebつくりまでに、十分な時間をかけ、研究・検討させている。また、出来上がった作品を公開し、評価して、もう一度再設計させている点もよい。
Webつくりそのものの作成は、専用のキューブねっとJr.があるので、短時間ですみ、何回も改善させる余裕が生まれたのであろう。ツールはできるだけ、使いやすいものを与え、コンピュータの使い方ではなく、情報そのものの検討や構成に時間をかけさせる良い実践のひとつである。
授業実践アイディア部門 準グランプリ
『6年算数少人数推進授業(習塾度別学習)における申し込みから自己評価まで』
宮崎県 宮崎市立西池小学校
横井 修子 先生
講評:永野 和男 先生
まさに、ハイパーキューブのさまざまな処理機能を駆使した作品である。ホームページ作成の機能を使っての「申し込み」、表計算機能を使っての「データ管理、計算や並び替え」また、その結果を
「Webページとして出力」するなど、習熟度別の学習が可能なようにありとあらゆる工夫がされている。
このような、総合的なデータ管理を可能にするには、問題の手わけや整理が不可欠であるので、このシステムを可能にした裏の仕事(すなわち、問題の分析や評価の方法の検討、関連付けなど)を特に評価したい。
基礎学力の低下が叫ばれている中、算数や国語の書き取りなど、基礎的で練習を習慣づける学習が見直されている。このシステムで行われている問題の整理は、その点にも大きく貢献するであろう。
ただ、あまり効率ばかり求めすぎると、消化不良になったり、意味づけを把握できない学習になることも指摘されているので、その点への配慮が付加されると、さらに良いものになると思われる。
審査員賞 環境賞
『静岡の水の旅』
静岡県 静岡市立松野小学校
小4 石本 久美 さん、松永 世界 さん
講評:山極 隆 先生
この作品は静岡県静岡市立松野小学校4年
石本久美、松永世界さんの作品で、学校での「総合的な学習の時間」で作成したものである。総合の時間は教科で学んだ事を実生活や実体験と結び付け、生きた理解につなげることを目指して儲けたものだ。
この作品は、社会科で学習した水の勉強と身近な安部川の観察調査を結び付け、それを環境学習へと発展させている素晴らしい作品である。最近自然離れとか体験離れとか言われている中で、調査活動、インタビューなどという実体験を通して調べたことをメディアで表現しており、その観察眼もしっかりしている。
審査員賞 理科賞
『長田中学校 理科実験』
長崎県 諫早市立長田中学校
中2 諫早市立長田中学校 選択理科のみなさん
講評:太田 次郎 先生
身近な現象について、様々な実験を行い、その結果をクイズ形式で出題し、その簡単な解説がなされている。
特に実際の実験の様子や結果が解説画面で示されている点が特徴である。
理科の実験に興味や関心をもたせる点で、評価できる作品である。
ただ、解説のナレーションが生徒の騒ぎ過ぎであり、ときに粗野とも思える言葉(特に誤答の場合)があるのは残念である。理科の場合、このような騒ぎ方はそぐわないと考えられる。
この作品を見て、自分でも実験してみたいという意欲をかきたてるような工夫が望まれる。
審査員賞 モラル賞
『インターネットを楽しく安全に使おう』
静岡県 富士市立元吉原小学校
市川 利久 先生
講評:永野 和男 先生
いわゆる情報モラルを身につけさせるのは、小学校の中学年段階までとも言われている。しかも、それは単なる知識としてではなく、自分自身の実体験をともなった、強烈な印象の中で学習することが、効果的である。そのため、いわゆるシミュレーション体験による授業の開発やその環境つくりが望まれる。
この実践では、「インターネットを楽しく安全に」を合言葉に、将来起こりうるネット上のトラブルを疑似体験させ、考えさせるというように授業が構成され、そのための環境つくりが行われた。児童は、先生の作成した「不正なWeb」に出会い、安全についていろいろ考えたことだろう。今後も、考えながら体得する、この種の教材を数多く開発し、情報モラルの教育を進めてほしい。
審査員賞 地域探求賞
『「カミヨン」上地区のガイドブック』
神奈川県 秦野市立上小学校
小4 平成13年度上小学校4年1組のみなさん
講評:龍崎 邦雄 先生
総合的な学習の時間を使い、年間を通して自分達の住む町のガイドブックを作成した取り組みは、素晴らしいガイドの完成とともに、上地区が益々大好きになり、協力することの大切さ、学習する喜びを参加した一人ひとりが感じることができた点からも、とても価値ある取り組みだったように思います。
本で調べただけでなく、自分達の目で手で体で直接観察したり、実験したり、写真に撮ったりしたことは大変な努力が必要だったと思いますが、やり遂げた充実感に繋がったことと思います。
また、地域の人と触れ合うことができたこともすばらしいことでした。
ガイドブックは上地区の豊かな自然が分かりやすく紹介されていて、読む人に「一度いってみたい!」という気持ちを起こさせるぐらい良くできています。
遠くから来る人のために上地区の位置や場所までの距離などを分かるようにしたり、更に「いいとこ」を増やして益々素晴らしいガイドブックにしてください。
審査員賞 アイディア賞
『スキャナを活用した楽しい電子紙しばい作りの実践』
熊本県 熊本市立五福小学校
高林 泰宏 先生
講評:塚田 庸子 先生
コンピュータを子どもたちが主体的に活用するためには、コンピュータになれること、コンピュータ操作が楽しくなることが大切である。
本実践は、低学年から高学年までその発達段階に合わせて、楽しく活動しながら、コンピュータの活用ができるようになる優れた指導実践事例である。
特にスキャナの活用方法には、単に絵や字を取り込むだけでなく、子どもたちが自分で描いた線画を取り込み、それにキューブペイントや、レコーダ等を効果的に使う様々なアイデアがあり、コンピュータの操作技術の習得だけでなく子どもたちの表現力や創造力の育成も期待できる素晴らしさがある。
1年生の「しりとり」は、線画を描くために「そのもの」をよく観察しなければならないというメリットがあり、その線画に色をつけるため、楽しくコンピュータ操作ができるようになる。さらに子どもたちのアイデアもいかせる1年生にあった良い作品である。3年生の「おもしろ漢字辞典」は、コンピュータ操作になれると同時に漢字の書き方やその意味まで知らず知らずに覚えてしまうというアイデアに富んだ作品であるが、漢字を正しく覚えるためには、正しい「字」をスキャナで取り込み、その後の活用は、子どもたちの「字」を使うという配慮が欲しかった。
その他の学年も子どもらしい豊かな創造力を育成できる実践例が多く、これからの実践が期待できる。
是非提案したいことは、せっかくのキューブ活用の指導実践例であるので、できれば指導や製作の実際をビデオ等で記録に残し、それらを編集することによりコンピュータの画面上に指導の過程とその結果が表れるものにしてほしい。
特に、今回、紙面に書かれている「製作の実際」は、制作していく指導過程をビデオや写真にとり、コンピュータ画面に取り込み、ナレーションを工夫して指導の過程が明確化するようにしてはどうだろうか。今後を期待したい。
審査員賞 努力賞
『東大寺、大仏殿』
岐阜県 大垣市立西小学校
小6 粟津 弘 さん
講評:常葉 勇 先生
粟津弘君、君のねばり強く、コツコツと努力した作品の受賞おめでとう。最近の応募作品の大多数は、多くの機能を使って表現しないと良い作品ができないと考えられがちですが、そうでもありませんね。今の世の中は何でも便利で、手軽な風潮ですが、ひとつの方法(マウス)で根気よく、努力を重ね、集中することは基本的に大切なことです。
君の作品はその特長をよく証明した見本のようです。今後もマウスにもっと慣(な)れて、色々工夫してみて下さい。 例えば、思い切ってフリーハンドにしたり、構図を考えれば、もっと生きた画像になるかも・・・。
審査員賞 福祉賞
『人にやさしい町へ』
愛知県 大府市立共和西小学校
小5 大府市立共和西小学校5年2組のみなさん
講評:中村 浩政 様
1.全体としてやさしさにあふれた作品となっており、作品を制作する過程で障害者やお年寄りの方々を思いやる 心を育てることができました。
2.「足の不自由な人」、「目の見えない人」、「耳の不自由な人」および「お年寄り」を対象に、それぞれのテーマ別に詳しく調べてあります。
3.本などで調べたことをもとに、実際に町に出て体験をし、いろいろと気付いたことをもとにして、体の不自由な人に対して便利な器具や設備などを考え出し、「こうなるといいな」という夢を発表しており、子どもらしい素直な発想と思いやりが感じられます。
審査員賞 地域アピール賞
『玉島みかん物語』
佐賀県 東松浦郡浜玉町立玉島小学校
小3 玉島小学校3年のみなさん
講評:横幕 睦
玉島小学校3年生の15人、みんなが協力して、自分たちの住む「玉島地区」や「みかん栽培」のことについて調べ、写真と多くの自作のイラストでまとめ、また自分達の声で丁寧に説明を吹き込み、キューブプロジェクタを使ってとても上手に作成されていますね。
玉島地区のみかん栽培が盛んなことや、みかん栽培のくふうなど、とてもよく調べていますね。甘くて美味しそうな玉島のみかんを是非食べてみたくなりました。
浜玉町は綺麗な海など豊な自然があり、焼き物、お祭りなど昔からの伝統が受け継がれていることもとても良く分かります。
これからも自分たちの住む町を大切にする気持ちをいつまでも持ち続けてください。
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